スーツケースは黒はやめたほうがいい？
旅行のプロが教える色選びの真実と後悔しない選び方

黒いスーツケースには多くのメリットがある一方で、旅行中に不便を感じたり、予期せぬリスクに直面したりする可能性も秘めています。

・空港での見分けにくさ、取り違いのリスク

黒いスーツケースの最大の懸念点は、空港のターンテーブルで他の荷物と見分けがつきにくいことです 。特に大型の国際空港では、同じような黒いスーツケースがずらりと並び、自分の荷物の識別に時間がかかったり、誤って他人の荷物を持ち去ってしまったり、あるいは持ち去られてしまうリスクが高まります 。これは、多くの人が黒を選ぶがゆえに生じる、いわば「人気の代償」とも言えるでしょう。

・盗難リスクの可能性（「目立たない＝高価」の心理）

一般的な色のスーツケースは、派手な色に比べて盗難率が約30%高いという報告があります 。これは、犯罪者が「目立たない色＝高価な物が入っている」と考える傾向があるためです 。特にビジネスパーソンが使う黒いスーツケースは、パソコンや重要書類、ブランド品などが入っている可能性が高いと判断され、盗難のターゲットにされやすいという心理が働く可能性があります 。海外旅行では、この防犯面でのリスクを特に考慮する必要があります 。

・夏場の熱吸収問題

黒い色は太陽光を吸収しやすい性質があるため、夏季の使用時や日差しの強い場所に長時間置かれると、スーツケース内部の温度が高くなりやすいという特徴があります 。これは、黒い日傘が紫外線を通しにくい一方で、熱を吸収しやすいという性質と同様です 。熱に弱い電子機器や特定の食品などを入れる際には注意が必要です。